18世紀のスペイン船発見、31億円をめぐる争い・後編-チリ

Oriflama S.A.のウェブサイトでは、船の沈没に関して視覚的な説明がなされている。それによると、乗組員は当時栄養不良、もしくは病気に苦しんでおり、すべての帆を上げられる状況ではなかったという。暴風雨に見舞われた同号は沈没、12の残骸(ざんがい)が翌日海岸に漂着したが、そこには「財宝」はなかったという。

同社は2001年創立。キューバからの研究チームがチリ国内の数大学からの支援を受けて活動を開始、現在では地方の博物館も数館参加している。目標はガレオン船の発見と財宝の回収にあったという。

国家記念物審議会では今回の件について、「同社とは頻繁に連絡を取っているが、今日まで調査の許可申請はなく、調査は許可なく行われている」と発表している。「法により保護されており、同号は公的財産だ。作業への見返りとして25パーセントを保証するが、残りは公的財産となる」。

実際に価値を確定するためには、残骸(ざんがい)をすべて砂から発掘する必要がある。現在まで、Oriflama S.A.は調査に100万米ドル(約1億円)を費やした。完了までにはさらに1500万米ドルの費用が発生すると見られている。同社幹部は、国家記念物審議会が資金を援助することを期待していると語り、発掘後については「博物館を建設したいと思います。歴史学界だけではなく、クプレトの観光業界に貢献する可能性があります」とした。

クプレト市当局は15日、この議論で同社と審議会のどちらに賛成するかを協議したが、判断はいまだ発表されていない。磁気特性を利用して船を発見したOriflama S.A.。同社は発掘作業を進める方針だが、完了のためにはさらに多くの資金が必要になるという。

[ 17日 チリ ]

http://www.web-tab.jp/article/2375